身近な日本茶、私たちはどれだけ知っているだろうか。そもそもお茶とは、日本茶とは何なのであろうか。
目を輝かせお茶の説明をする土井さん
「お茶」はアジアを発祥の地として、論争はあるものの、中国雲南省のシーサンバンナ族が起源というのが有力である。「その頃、お茶の木とは知らなかった木のたもとで、お湯を沸かしていて葉が落ちた。煮出したお湯(茶)を飲んで快楽を得たことに、起源を発したと言われています。その後、お茶は奴隷と交換されるまでに価値のあるものだった時期もある」と言う。
お茶の栽培はどこでも出来るわけではない。「年平均気温は14℃以上、年間降雨量は1400ミリ以上、弱酸性(ph4〜5)土壌の亜熱帯地方で北緯45度以南、南緯45度以北、つまり日本では茨城県の北限あたりまでがお茶の栽培に適している」と説明する土井さんは、富士山の麓の肥沃な大地と気候や降雨量が「静岡茶」というブランドを育んだのではないかと考えている。
いま、スーパーには、日本緑茶、中国緑茶、烏龍茶、紅茶などが所狭しと並んでいる。「それぞれの栽培地の違いではなく、製造工程の違いがお茶の種類となっています」と言うように、日本茶は摘み取った葉をまず蒸して発酵を止め、揉み、乾燥させるのに対して、中国茶は釜で炒りながら揉んで発酵を止め乾燥させる。烏龍茶は摘んだ葉をまず揉んで、発酵を半分くらいで止め乾燥させる。紅茶も同様に先に揉むが、完全に発酵を止めてから乾燥させる。この製造過程は、お茶の成分を変え、その結果、効能と効果に違いがでる。
ここで、共に微生物によりおこる「発酵」と「腐敗」の違いについて触れたい。最大の違いは体に良いか悪いかである。酒や味噌、納豆、ヨーグルトなどの代表的な発酵食品はアミノ酸をだす。逆にO-157などの食中毒は毒素によりおこる。アミノ酸が多いと、いわゆる“旨み”“甘み”となり体にはリラックス効果があるそうだ。
日本茶に含まれる成分はカフェイン(含有量:3%)、アミノ酸(2%)、カテキン(14%)、ビタミンC、クロロフィルなどで、含有量の多いカテキンは“苦味”、“渋味”をもつが抗癌作用や殺菌効果がある。寿司屋の“あがり”と言えばお茶だが、今ほど衛生的でなかった昔に、生ものを食べた後にお茶を飲むことが理解できる。
「
日本茶インストラクター協会では、旨み、甘味が多く後からほんのり渋味、苦味のあるお茶が美味しいお茶と考えています」と話す土井さんは「紅茶をはじめとして烏龍茶などは香りを楽しむのに対し、日本茶は味を楽しむのです」と加えた。健康的な面からも日本茶は優れ、花粉症やアレルギーなどにも効果があるという(花粉症が治るわけではない)。
最後に、「一番おいしいお茶はありますか?」と質問をしてみた。「お茶の産地と銘柄は多岐にわたるので、お好みの一品を探してみて下さい。ただ一番茶が一番美味しいでしょう」つまり4月終わりから5月はじめ頃に摘まれた“新茶”が一番だという。「ニ番茶は一番茶のあとにできた葉、施肥はしますが養分を吸い上げられた土地にできる葉なので、一番茶の養分、特にアミノ酸の含有量がもっとも高いし、美味しい」という訳だ。