先日、福島でインタープリテーションの講義を行なってきた岩崎さんは、楽しそうにその模様を話した。「皆さんを虫の世界に案内します、と告げた後で、見慣れた花の一部を拡大して見せたんです。そして、皆さんはヒトの感覚だけで当てようとするんですが、それが何の花だかなかなか分かりません」参加者はエコツーリズムを志す方たちで、普通に見れば分かるのだろうが、虫の感覚ではなかなか難しいようだ。
ルーペ片手にワタシは虫…
「次に、自分自身が虫になって見てみよう!ということでルーペを用意したのですが、もう一つ、虫になるグッズとして“カチュウシャ(髪留め)”に虫の触覚がついてる虫グッズなるものを用意して、それを装着しないかぎり虫の世界はのぞけないというルールを立てたのです」参加者は渋々、虫グッズを身につけ虫の世界にいくのだが、最終的には取り合いになったそうだ。「いかに虫の気持ちになって、世界を見渡せるかが重要なんです。テレビじゃこの感覚は真似できない。そして何よりも、普段なら目を向けない小さな花について考える “きっかけ”を提供することが大切なんです。」まさに体験し、新たな発見をすることで“ふにおちる”仕掛けである。
このように、参加者に直接触れてもらうことで物事を感じたり、考えたりしてもらうことを「ハンズオン」と言い、更に参加者の心を動かすことを「マインズオン」という。人が本やテレビなどから得られる情報を意識的に捉え行動する“顕在意識”を超え、潜在意識にまで刺激を受けることで、より実践的な行動へとつながり、日々の生活、社会をよりよい方向へと変えていくことにつながっていく。